
グレンモーレンジィを読んで愉しむ

グレンモーレンジィを読んで愉しむ

銀座の名店「MORI BAR」で味わいたい、グレンモーレンジィを使ったカクテルの逸品
バーの名店が軒を連ねる東京・銀座。その銀座の名店として名高い「MORI BAR」は、日本を代表するバーテンダー毛である毛利隆雄さんが1997年に開業したお店で、日本国内はもちろん海外からのお客様も多数訪れる、日本を代表するお店です。今回は、マスターである毛利さん直々に、グレンモーレンジィをベースにした味わい深い大人のカクテル「Mr.M(ミスター・エム)」をご紹介いただきます。案内役は、MHD モエ ヘネシー ディアジオのシングルモルトアンバサダー、ボブことロバート・ストックウェルが務めます!

「Mr.M」の”M”は何を表している?
ボブ:今回のコラムは、素晴らしい場所からお届けしますよ。東京・座の名店ではなく、日本の名店と言っても過言ではない、MORI BARです。そして、スペシャルゲストは、マスターの隆雄さんです。
毛利さん:よろしくお願いします。
ボブ:さて、さっそくですが、今回毛利さんに作っていただくグレンモーレンジィを使った素晴らしいカクテルをご紹介いただきますが、どのようなカクテルなのでしょうか?
毛利さん:「Mr.M(ミスター・エム)」というカクテルです。
ボブ:ミスターM、すごく興味深い名前のカクテルですね。そのMは、毛利さんの「M」を表しているのですか?
毛利さん:僕の名前である「Mori」のMと「GLENMORANGIE」のM、両方を表しています。
ボブ:なるほど、ありがとうございます。GLENMORANGIEは、スコットランドの公用語であるゲール語の言葉なのですが、GLENは「谷」、MORANGIEは「静寂な」とか「静かなる」という意味。つまりMORANGIEの頭文字から取ったものなんですね。素晴らしいネーミングですね!
MORI BARの看板カクテルとなっている「Mr.M」

では、Mr.Mには、どんなものを入れるのか教えてください。
毛利さん:グレンモーレンジィをベースに、ヘネシーのコニャックを少し、あとコーヒーのリキュールを少し入れます。
ボブ:ヘネシーのコニャックを入れるというのは、また斬新ですね。
毛利さん:グレンモーレンジィとコーヒーリキュールだけですと、リキュールの味が強調されてしまうので、それを緩和するために、少しヘネシーを入れてバランスを整えています。
ボブ:ちょっと噂で聞いたのですが、実はこのカクテルは、お店のシグネチャーカクテル※になっていると聞いたのですが。
※シグネチャーカクテル・・・バーあるいはバーマンの代表的なカクテルのこと。
毛利さん:その通りです、シグネチャーNo.58です。
ボブ:58番!素晴らしいですね!MORI BARのシグネチャーカクテルの1番~57番、そしてさらに59番以降のカクテルがどんなものかとても興味深いのですが、まずは「Mr.M」を1回作っていただいてもよろしいでしょうか。
毛利さん:はい、かしこまりました(笑)。
「Mr.M」の作り方

毛利さん:では、ご紹介していきましょう。まず、「グレンモーレンジィ オリジナル」を氷の入ったシェーカーに90ml 注ぎます。
ボブ:かなりたっぷり入れるんですね。

毛利さん:そして、「ヘネシー V.S.O.P」を10ml 、コーヒーリキュールを10ml加え、ステアします。
ボブ:本当に綺麗なステアですね。僕はとても真似できません。※ 「ステアは、何回かき回す」など、心がけていることはありますか?

毛利さん:これはオン・ザ・ロックで作るカクテルで、多少甘みがあります。ですので、50回から60回ほどステアするようにしています。最後に金粉を入れて仕上げをします。

ボブ:すごく高級ですね。しかも綺麗です。
毛利さん:これで、「Mr.M」の完成です。
「Mr.M」をテイスティング

ボブ:通常はバーカウンターをはさんでいただくのがマナーなのでちょっと恐縮なのですが、マスターがもしOKでしたら、特別にバーカウンターのこちらの側でいただいてもよろしいでしょうか?
毛利さん:どうぞ(笑)
ボブ:ちょっとフワッとコーヒーの香りがほのかにあって、でもグレンモーレンジィのピーチやオレンジ、バニラの香りも感じられますね。では、いただいてみましょう。

ボブ:こういっては元も子もないですが、ひと言でいえば本当に美味しい!口の中で感じるコーヒーが、少し「グレンモーレンジィ シグネット」のような味わいに似ていますね。もしかすると、このカクテルを考えたときに、少し頭のどこかでシグネットを意識されたのでしょうか。
毛利さん:いや、あんまりないですね(笑)
ボブ:そうでしたか(笑)。でも、チョコレートモルトを使っているシグネットの味わいには、チョコレート感が出ていると思われがちですが、焙煎された大麦麦芽からコーヒーのような風味も入っています。まさに、Mr.Mには、そうした高級な味わいが感じられます。それに、このカクテルにはグレンモーレンジィが90mlも入っているのですが、そうとは思えない柔らかな味わいです。やはり、毛利さんならではのステアから生まれるものと考えればよいのでしょうか。
毛利さん:そうですね、柔らかさを生み出しているのは、ステアの技術に加え、材料のバランスですね。グレンモーレンジィをいかに生かすかがポイントです。
ボブ:グレンモーレンジィらしさといいますか、毛利さんはグレンモーレンジィというウイスキーにどんなイメージを持っていらっしゃいますか。
毛利さん:グレンモーレンジィにはコクや深み、そして甘みがあります。だから、とても飲みやすいウイスキーです。
ボブ:ありがとうございます。MORI BARのシグネチャーカクテル「Mr.M」、皆さんもぜひ一度お店で味わってみてはいかがでしょうか?最後に乾杯で締めます、スランジヴァー!
毛利さん:スランジ。

<「Mr.M」のカクテルレシピ>

MORI BAR GRAN(モウリ バー グラン)
東京都中央区銀座6-12-12 サクラマ-クス銀座612号室
03-6263-883