グレンモーレンジィ オリジナルは、なぜ「THE ORIGINAL」と呼ばれるのでしょうか。
それは、グレンモーレンジィのハウススタイル（グレンモーレンジィらしい香りと味わいを表現した代表作）であり、作り方や味わいの原点であることを表しているからです。グレンモーレンジィは、作り手としての３つのこだわりがあります。

こだわりの１つ目は「水」です。グレンモーレンジィは、蒸留所の敷地内にある「ターロギーの泉」でウイスキーに使う水を取水しています。この水はミネラルを豊富に含んだ硬水であるため、非常にフルーティーなウイスキーができあがります。

2つ目は、蒸留所で使っている「ポットスチル（蒸留器）」です。スコットランドでもっとも背の高いポットスチルで蒸留を行うことで、非常にデリケートなウイスキーに仕上がります。

3つ目は、「樽」。スコッチウイスキーの熟成に使用されているバーボン樽だけではなく、グレンモーレンジィが「デザイナーカスク」と呼んでいる、こだわり抜いたカスク（樽）を使っています。樽のスペック（規格）のみならず、樽の木材までこだわっています。さらに蒸留所の多くは、この樽を５回か６回まで使用しますが、グレンモーレンジィでは、常に最大限のフレーバーを引き出し、より丸みのあるスムースな味わいとするため、カスクの使用を２回までと定めています。

グレンモーレンジィ オリジナルは、バーボン樽で10年熟成させたもの。これが１度でき上がった後、さらに特別な樽で追加熟成させたのが、「キンタ・ルバン」「ラサンタ」「ネクター・ドール」の３つのグレンモーレンジィです。

「ラサンタ」はスペイン語のような響きがありますが、実はスコットランドの公用語でもあるゲール語で、その意味は「情熱」「温かさ」を表しています。10年バーボン樽で熟成させた後に、オロロソ・シェリー、ペドロヒメネス・シェリーの樽でさらに２年間追加熟成させています。
バーボン樽のバニラやオレンジ、ピーチのような風味に加えて、シナモンやドライフルーツなど、あたたかみを感じるフレーバーが広がります。ひと口飲むと、舌の上にシナモンやチョコレート、レーズンを感じた後、最後にバニラの甘さが流れていきます。

「ルバン」は同じくゲールで「ルビー」を表す言葉で、ルビーポートワイン樽で追加熟成を行っています。
最初にキンタ・ルバンの色に注目しましょう。赤みがかった液色は、ルビーポート樽の影響によるもの。10年ほどバーボン樽で熟成させた後に、ポルトガルのポートワイン樽の中でさらに熟成させます。
香りは最初にチョコレートの香り。そしてオレンジの香り、ミントのフレッシュな香りも感じます。
ひと口飲むと、舌にベルベットのような滑らかさ、シルキーさがひろがり、他のウイスキーにはないスムースさが素晴らしいです。ミントチョコレートやオレンジの風味もあります。

最後にご紹介するのは「グレンモーレンジィ ネクター・ドール　ソーテルヌカスクフィニッシュ」。「ソーテルヌカスク」とは、フランスのデザートワインの最高峰の樽で、ネクター・ドールはこれを追加熟成に使用しています。 色は濃いゴールド、そして香りはレモンタルトのような香り、ライムのフレッシュさを感じます。
ひと口飲むと、クリーミーなキャラメルやナツメグの味わい、最後にショウガのスパイシーさも感じます。ソーテルヌワイン樽は非常に貴重なもので、これを贅沢に使えるのはグレンモーレンジィだけです。