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SPECIAL COLUMNスペシャルコラム
LIVING SOILS / 生きた土壌
認証制度が乱立し、アメリカの消費者は混乱
全国制度のニュージーランドは成功
『認証は有益か?』では、ニュージーランド「クラウディ・ベイ」のテクニカルディレクター、ジム・ホワイト氏が、海外に輸出するすべてのワイナリーに義務付けられている「サステナブル・ワイングローイング・ニュージーランド(SWNZ)」を紹介。その上で、「全国的な制度をもつことは我々に国として唯一の声を与え、この制度が私たちの土地の守護者であることを意味している」と述べた。
またアメリカ人ワイン評論家のエレン・マッコイ氏が、アメリカにおける認証の乱立ぶりと、消費者の無理解を指摘。しかしながら消費者の多くは環境に関心があり、サステナブルな方法で作られた商品にはより多くの対価を支払う用意はできていると言う。消費者目線に立てば明快でわかりやすいことが重要で、「セミナーなど小売店でもすべきことが山ほどある」と主張した。
環境に配慮した画期的パッケージ
「セカンドスキン」をルイナールが発表
『パッケージングを再発明する』では、ルイナールのインターナショナルコミュニケーション&マーケティングディレクター、ヴィオレーヌ・バス氏が、従来の化粧箱に代わる画期的なパッケージ「セカンドスキン」を披露。これはボトルを覆う100%紙製のパッケージで、環境への負荷を最大限抑えながら、シャンパーニュにとって有害な紫外線を遮断し、なおかつギフトに最適なデザインを目指したものと言う。
開発には2年以上かかったが、「重さは化粧箱のわずか9分の1で、カーボンフットプリントを60%削減できる」と主張する。紙の製造で排出された水は浄化後、河川に還流。パルプはエコロジー認証を得た森の素材からなり、その森では木を1本抜くごとに、新たに4本植えることが義務付けられている。
セカンドスキンはルイナールのブラン・ド・ブランとロゼのパッケージとして使用される予定で、日本でも2021年春以降、展開の予定となっている。
「ラグジュアリー」とは
他者のために道を照らす光
クリュッグは水の使用を50%削減。
省エネの醸造施設も稼働
『ラグジュアリーブランドの果たす役割は?」では、クリュッグCEOのマギー・エンリケス氏とESSECビジネススクールのシモン・ニエック博士が議論を交わした。
エンリケス氏はラグジュアリーを「他者のために道を照らす光」と定義。「つまり社会に影響を与えること。つねに光を照らし続けることに、責任をもたなければならない」と述べた。
それを受けてニエック博士も、「ラグジュアリーはより教育を受け、より洗練されて社会を啓発する手段」と語り、「すべてのリーダーとラグジュアリーブランドは、とりわけサステナビリティに関する知識を共有し、教育する責任がある」と語った。
さらにエンリケス氏はクリュッグを例にとり、「古くは1869年からメゾンにブドウを供給している契約農家もいる。彼らとも同じ道を歩まなければならない」と述べ、すでにクリュッグの自社畑でサステナブル栽培の認証を取得済みだが、同じく認証取得を目指す契約農家を技術的にも金銭的にもサポートしていくと述べた。
ちなみにクリュッグではこれまで樽の洗浄に大量の水を使用していたが、新たな解決策を見つけたことで水の使用を50%削減。さらに2500万ユーロ(約30億円)を投じ、省電力化した醸造施設が今年6月から稼働予定である。
プログラムの最後には3つ星シェフのアラン・デュカス氏が登場。パリ政治学院やフェランディ料理学校の学生も交えてワークショップを行い、今から30年後のワインとガストロノミーを取り巻く環境について語り合った。
モエ・ヘネシーのショウスCEOは、今回このようなシンポジウムを開催した理由について、「モエ・ヘネシーでは20年前から環境問題に取り組み始めたがまだ道半ば。昨今の気候変動に伴う環境変化を鑑みれば、より迅速な対応が求められる」と述べ、そのためには多くの専門家と知識を共有し合う、このようなシンポジウムが必要と考えたと言う。
「これはマーケティングではない。今そこにある危機に対し、私たちがどのような行動を取るか。未来も持続可能かが問われている」とショウスCEO。「今後もこのようなシンポジウムを年に1、2回開催したい」と希望を語った。
ワイン専門誌記者を経て、1997年に独立。業界歴30年のワインジャーナリスト。ワイン専門誌のほか、ライフスタイル誌にもワイン関連の記事を寄稿。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ、ボルドー・ボンタン騎士団名誉コマンドゥール。
数世紀の歴史を誇るメゾンを擁する
ラグジュアリーワイン&スピリッツの世界的
リーダーとして、
私たちはステークホルダーと地球全体に
対して果たすべき責任があります。
地域社会を支援し、社会にポジティブな変化を
もたらすことが私たちの役割です。
自然を大切にすることは、
最終的には人を大切にすることに繋がります。
それが一つになって「共に生きる」ということなのです。
なお、ディアジオ グローバルでも、
「環境負荷の低減」、「適正な飲酒の促進」、「活発なコミュニティの構築」の3つのエリアで、
CSR活動を行っています。